どうもです。今回はサブスクリプションサービスに関する大きな話題もあったということで、久々にこのネタで行きたいと思います。ぜひご覧ください。
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非ストリーミング化がレアになる時代へ
今回、私がよく拝見しているブログで「『非ストリーミング化』がレアになる時代へ」というタイトルでの投稿がありました。
これによるとアメリカのメタルバンド、TOOLがアルバムリリースに先駆け、過去の作品をストリーミングサービスに解禁したということで、「サブスクを全く認めていないアーティストなんてものが、英語圏ではほとんど絶滅に近くなってしまった!!」と綴っています。
また日本でも、前回サブスクネタを書いた後でいろいろと解禁の動きがありました。
例えば今年6月、安室奈美恵さんがApple Music限定ではありますが、ベストアルバム「Finally」をはじめ、シングルでは「Body Feels Exit」以降、アルバムでは「Sweet 19 Blues」以降の楽曲を解禁しました。この話題は大きな話題を呼んでましたね。
さらに7月には人気バンドのサブスク解禁が相次ぎました。まずWANIMAは6月21日に「Summer Trap!」EPのリリースに先駆け、収録曲の「夏のどこかへ」及び過去のカタログを一斉解禁、EPリリース日には新譜もすべて解禁しました。
続いてBUMP OF CHICKENも6月28日にアルバム「aurora arc」リリースを前に、隠しトラックを除いたこれまでの楽曲を解禁。アルバムリリース日には「Aurora」「新世界」を始め、先行でリリースされた「話がしたいよ」「シリウス」「望遠のマーチ」といった収録曲もすべて解禁しました。
10-FEETは6月24日に過去のアルバムとシングルの楽曲を配信開始、7月24日発売の「ハローフィクサー」は翌週の7月31日より当楽曲のみではありますがサブスクでの配信を解禁しました。
これらの人気バンドは当然夏フェスを控えていることもあり、広く楽曲を聴いてもらう手段としてサブスクの解禁に踏み切ったということですね。
サブスクリプションサービスでチケット購入が出来る
更に今週、サブスクでこんな話題が出ておりました。
音楽配信サービスのSpotifyがチケット販売のイープラスと手を組んで、両サービスのアプリやサイトを連携したコンサート情報、およびチケット購入ができるサービスを7月30日より開始しました。これにより、チケットをスムーズに購入できることや、問題となっている高額でのチケット転売を防ぐことにつながるということです。ではどういう風になっているか。例えば、先に上げた10-FEETで見ていきましょう。なおここからはPCでの操作方法となります。スマホでの操作では異なるのでご注意を。
アーティストページに新たに出来たタブに「コンサート」というものがあります。これで今後のライブスケジュールを地域ごとに見ることが出来るわけですね。
でその中から、SUMMER SONIC 2019[TOKYO]を見ていくと…。
コンサートの詳細情報が出てきます。下にスクロールすると出演アーティストのラインナップがズラリ。お、サム・フェンダーも出演するのかというのが分かりますね。
ここで、「チケットを見つける」というボタンをクリックすると…。
イープラスのオンライン予約ページにダイレクトにアクセス、チケットの購入もスムーズに出来るということです。
こうすることで、サブスクからライブやフェスへとつながる導線が強化されることになる、というのが双方の狙いで、10-FEETやバンプ、WANIMAもまた曲を知ってライブに来てもらいたいという狙いからサブスク解禁に踏み切ったわけですね。
と、このように英語圏、そしてライブバンドの間ではサブスク解禁が進んでいます。
それでも続く日本での「非ストリーミング」
それでも日本ではストリーミング配信が主流になってきている現在でも、国際的に完全に時代に取り残されたとしても、「非ストリーミング」がレアにならない流れが続くと思います。理由としては
依然として支配しているCDなどのフィジカルメディア
まず一番に上げられるのが、依然として日本ではCDを中心としたフィジカルメディアの存在感が強いということ。DVDやチケットなど他の特典を組み合わせ、購買意欲をそそるという戦略が続いています。
その最たる例がよくいうジャニーズ系ですね。肖像権にかなりシビアなジャニーズは依然としてストリーミングはもとより、配信そのものに乗り出していませんが、それでもCDの売り上げの貯金で大手のチャート(ビルボードジャパンなど)で初登場1位をしばしば獲得しています。また、よくいう48グループとか坂道グループあたりはストリーミングに対応していますが、主力となっているのがこちらもCD。この売り上げだけで勝ってる印象です。
最近はシングル曲を先行で配信するパターンも出てきましたが、積極的なプロモーションを行うのってCDがリリースされる週ですよね。したがってそもそもシステムが依然としてCDありき、CDメインで進んでいる、というのが日本の特殊な事情になっています。
「非ストリーミング」を逆手にとった戦略
近年では米津玄師とか星野源など、国内のサブスクリプションサービスに対応していないことを逆手にとって、ダウンロードなどのセールスを伸ばすということを戦略視しているメディアもあります。
例えば「天気の子」のサウンドトラックは国内のサブスクサービスにはまだ対応しておりませんが、それでもビルボードのアルバムチャートでは上位をキープし続けております。またiTunes StoreのようにApple Musicとトップページのバナーをほぼ同じようにしているメディアではサブスク未対応の場合、トップページにほとんど写真やバナーが載らないのですが、それでも上位を占めていますね。あとmiletの「us」もですか。ストリーミング対応楽曲がダウンロードでも強いどころか、逆にストリーミング未対応の楽曲が幅を利かせてる感じがするし、話題になってる気もします。
まとめ
こうした「非ストリーミング」を切り崩していかないことには世界の音楽の流れに乗りそこなう懸念もありますが、ただ、これは相当高い壁になりそうな感じがします。とくに売上の中心的存在、ジャニーズが君臨していますからね。
まあ、我々サブスク推進派としてはそういった「非ストリーミング」派の流れをあまり気にせず、リリースされた楽曲、解禁されたアーティストを見つめ続けていきたいものです。