どうもです。先日、「非ストリーミング派」を最後まで貫くアーティストについての展望を投稿しましたが、
あの後で星野源が全曲解禁など刻一刻とサブスク解禁をめぐる状況が変化しつつあります。そこで今回はその最新情報と前回の記事の不備を踏まえ、改めて最後まで貫きそうなアーティストを展望していきたいと思います。
Contents
2019年度のサブスク解禁タイムライン
初めに今年度に入ってからのサブスクリプションサービスへの配信が解禁されたタイムラインをまとめてみます。
- 4月5日
- 小沢健二が全カタログ解禁。
- 4月17日
- BUCK-TICKが未配信だった過去の全カタログを解禁。
- 4月26日
- 平井堅がデビューシングルからアルバム「THE STILL LIFE」までの楽曲を配信解禁(2018年以降リリースのシングル曲は未配信)。
- 5月10日
- ゆずがApple Music先行で全カタログを解禁。そのほかのサブスクリプションサービスは5月15日に配信が解禁された。
- 5月14日
- 小田和正が全カタログ解禁。
- 6月7日
- LAMP IN TERRENが未配信だった過去の全カタログを解禁。
- 6月12日
- eastern youthが未配信だった過去のカタログを一部除いて追加解禁。
- 6月16日
- 安室奈美恵がApple Music先行で過去カタログの配信解禁。
- 6月21日
- WANIMAがこれまでの全カタログを解禁。同時に5枚目のシングル収録曲「夏のどこかへ」を先行で配信。7月17日にはそのシングルも配信。
- 6月24日
- 10-FEETがこれまでの全カタログを解禁。
- 6月28日
- BUMP OF CHICKENがメジャーデビューシングルからアルバム「Butterflies」までの隠しトラック、期間限定盤、初回限定盤、廃盤を除く全カタログを解禁。その後、最新アルバム「aurora arc」のリリースと同時に収録曲全曲を配信スタート。
- 7月1日
- クリープハイプがインディーズ時代のカタログを解禁。
- 7月17日
- 水樹奈々がこれまでのカタログを一部除いて解禁。
- 8月1日
- 爆風スランプがこれまでの全カタログを解禁。
- 8月16日
- the HIATUSが未配信だった過去のカタログを解禁。
- 8月19日
- ウカスカジーがミニアルバムリリースと同時に過去のカタログを解禁。
- 8月21日
- 攻殻機動隊シリーズのカタログが解禁。
- 8月21日
- 須田景凪が最新EPリリースと同時に”須田景凪”名義でリリースした過去の全カタログを解禁。
- 8月30日
- 星野源がこれまでの全カタログを解禁。Apple Music限定のラジオ番組を担当。
- 9月18日
- Perfumeがベストアルバムリリースと同時にメジャーデビュー後の全カタログを解禁。
- 9月20日
- 安室奈美恵がApple Music以外でのサブスクリプションサービスで配信解禁。
- 10月1日
- 植田真梨恵がインディーズ時代からの全カタログを解禁。
- 10月2日
- レミオロメンが全カタログを解禁。
- 10月8日
- スピッツがアルバム「見っけ」リリースと同時にこれまでの全カタログを解禁。
- 10月9日
- 嵐がジャニーズ事務所所属アーティストとして初めてサブスク解禁。楽曲は「A・RA・SHI」、「Love so sweet」「Happiness」「truth」「Monster」。
- 10月11日
- UNISON SQUARE GARDENがニューシングル「Phantom Joke」を含めた過去のシングル、アルバムの代表曲をセレクトしたプレイリストの形式でサブスク解禁。
- 10月18日
- BEGINがこれまでの全カタログを解禁。
- 10月18日
- 超能力戦士ドリアンが新曲の配信と同時にこれまでの全カタログを解禁。
- 10月21日
- LiSAがシングル「unlasting」の先行配信と同時にこれまでの全カタログを解禁。
こうしてサブスクリプションサービスへの配信状況をいろいろ見た結果、おおよそ以下のように分類していくことにしました。なおこれはあくまでも日本国内でのものです。海外やApple Music、Spotify以外のサブスクサービスでは事情が異なる場合もありますのでご注意ください。
1.デビュー時からの直近の楽曲までの全カタログを配信済み(この場合メジャー、及びインディーズ時代は問わない)
このケースが最近は主流になりつつありますね。PerfumeやWANIMA、BUMP OF CHICKENがアルバムリリースのタイミングで、星野源も全曲配信と同じタイミングでApple MusicでのBEATS1のホストを務めるなど、最近は合わせ技での解禁も多いようです。
2.直近の音源は配信されているが、デビューシングルなどそれ以前の楽曲が未配信のアーティスト
アーティストによっては直近の作品から配信を開始して、アルバムリリースのタイミングで過去の全タイトルを解禁するという方法を取っている場合もあり、9月6日に全カタログの配信を解禁したTHE ORAL CIGARETTESもこのパターンになっています。また、サービスによって全作品解禁していたり、過去作が未配信だったりというのが混在しているものもあり、例えばGLAYはApple Musicではほぼ全カタログ網羅しているが、Spotifyでは直近のアルバムやシングルのみで90年代~2000年代前半の曲が聴けない状態となっています。
3.直近にフィジカルリリース、またはダウンロード配信された楽曲がストリーミング配信はされていないアーティスト
ある時点までのシングルとアルバムを解禁したけど、最新のアルバムはまだ解禁しないよというパターン。「Reflection」までは解禁したが、「重力と呼吸」は解禁してないMr.Children、「アンコール」までは解禁したが「MAGIC」は解禁していないback numberなど。あと直近のシングル「イコール」は出しているのにアルバム「Chime」は解禁していないsumika、ファーストアルバムの「レキシ」以降未配信状態のレキシもこのパターンに当てはまります。
4.シングルタイトル曲、アルバムリード曲限定で配信されているアーティスト
シングル曲5曲限定で配信を開始した嵐、全シングルタイトル曲と一部のアルバム収録曲のみ配信開始のUNISON SQUARE GARDENがこのパターンに当てはまります。
以上の4パターンについては限定的、または日本だけでの配信であっても、国内のサブスクリプションサービスで”解禁”されているくくりとなります。一方で
5.海外では配信されていて、日本で未配信のアーティスト
海外での配信はすでに行われているものの、日本では未配信の場合でも、非サブスク派にくくられるのが基本です。このパターンが米津玄師になります。Spotifyのディベロッパー用のコンソールがあって、その中の情報で”available_markets”=音源が聴ける国を見ることが出来るのでそれを調べてみると、最新作の「馬と鹿」では
available_markets”:[”AD”,”AE”,”AR”,”AT”,”AU”,”BE”,”BG”,”BH”,”BO”,”BR”,”CA”,”CH”,”CL”,”CO”,”CR”,”CY”,”CZ”,”DE”,”DK”,”DO”,”DZ”,”EC”,”EE”,”EG”,”ES”,”FI”,”FR”,”GB”,”GR”,”GT”,”HK”,”HN”,”HU”,”ID”,”IE”,”IL”,”IN”,”IS”,”IT”,”JO”,”KW”,”LB”,”LI”,”LT”,”LU”,”LV”,”MA”,”MC”,”MT”,”MX”,”MY”,”NI”,”NL”,”NO”,”NZ”,”OM”,”PA”,”PE”,”PH”,”PL”,”PS”,”PT”,”PY”,”QA”,”RO”,”SA”,”SE”,”SG”,”SK”,”SV”,”TH”,”TN”,”TR”,”TW”,”US”,”UY”,”VN”,”ZA”]
このアルファベット2文字はISO 3166-1の国際規格になっているカントリーコードで、アメリカは”US”、イギリスはグレートブリテンなので”GB”、フランスは”FR”、中国は”CH”、そして日本は”JP”となりますが…。これを見ると、”JP”だけがないのが分かると思います。この場合、仮にSpotifyでこの曲のIDを探しても”国内”では灰色の表示となって再生できないことになるわけですね。
6.そもそもサブスクリプションサービスにおいて全く配信されていないアーティスト
そして依然として国内外を含めてサブスクリプションサービスへの配信が行われていないアーティストというのも根強く存在しています。
今回このような分類をもとに”非サブスク派”のアーティストを抽出しました。前回書いた時には多少不備があったので再度検討し直し、”過去5年のOSAKAN HOT 100にチャートインしていて、かつApple MusicとSpotifyにオリジナル楽曲・アルバムが国内で1曲も配信されていないアーティスト(今回の分類でいうところの5番と6番)”という条件で調べました(SpotifyにあってApple Musicにない場合、あるいはその逆の場合は”配信済み”としています)。
2019年10月20日現在で非サブスク派のアーティスト
分類5のパターンに該当
- 米津玄師
- l’arc~en~ciel
- マキシマム ザ ホルモン
- HI-STANDARD
- Ken Yokoyama
- BEADY EYE
- 西内まりや
分類6のパターンに該当
- B’z
- 稲葉浩志
- サザンオールスターズ
- 桑田佳祐
- Hump Back
- My Hair is Bad
- aiko
- EVISBEATS
- 久保田利伸
- 倉木麻衣
- INABA/SALAS
- ALA-UMI-DOSS
- 電気グルーヴ
- ザ・クロマニヨンズ
- 小泉今日子
- 味噌汁’S
- BIGNOUN
- the 野党
- THE PREDATORS
- SAKEROCK
分類5の場合、時間の問題のようなアーティストが多いですね。l’arc~en~cielの場合、HYDEのソロ及びOblivion Dustのギタリスト・K.A.Zとのユニット、VAMPSの作品は解禁されています。あとHI-STANDARDやKEN YOKOYAMAはPIZZA OF DEATH RECORDSの所属で、KEN YOKOYAMAはその社長でもあります。PIZZA OF DEATHはサブスクリプションサービスへの解禁に乗り出しており、その第1弾がWANIMAでした。と考えれば次のリリース辺りでHI-STANDARD辺り解禁があるかも?ちなみにボーカル難波さんの別バンド・NAMBA69はすでに配信済みですね。
そのほか西内まりやは現在休業中で海外に行っていますが復帰後は歌メインに動きたいと言っているらしい?しその時にサブスク解禁があるかな。あとはBEADY EYE…。もう解散してるやん。これOASISが解散した後にノエルギャラガー抜きのメンバーで構成していたバンドですね。OASISもノエルもリアムギャラガーも楽曲は配信済みなのに、なぜかBEADY EYEは国内で聴けない。これは厳しいかもですね。
分類6を見るとB’zとそのプロジェクト、サザンと桑田ソロのようにグループで未配信のアーティストはソロでも未配信になっている場合、あとTHE PREDATORSやthe 野党、味噌汁’S、ALA-UMI-DOSSのようなサブプロジェクト的なバンドの場合、SAKEROCKのようにもう解散しているバンドの場合が未配信状態になっています(諸事情で配信を停止した電気グルーヴは割愛)。ちなみにTHE PREDATORS、the 野党、ALA-UMI-DOSSを構成しているバンドはすでに配信済み、味噌汁’SはRADWIMPSの別形態なのでこれも限定的ではあるものの配信済み、SAKEROCKにいた星野源もグッドラックヘイワも在日ファンクも配信済みとなっています。
なので限定的な活動だったり解散しているアーティストを除くと、高い壁はサザン&桑田、aiko、B’zの3トップが最後まで残ってしまいそうな気がしなくはないですね。と言いながら前の星野源のようにサプライズでの解禁があったりして?