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[要注意]2024年にFM転換実証実験が始まる件について詳細まとめ

今回は来るラジオ業界における2028年問題について取り上げます。なぜ2024年1月のこの時期に取り上げるのかといえば、ずばり、早ければ来月にもターニングポイントとなる動き、すなわち実証実験が行われるためです。今回はその実証実験を行うまでの経緯と、実験を行うラジオ局を調査してみました。

なお今回実験を行うラジオ局から確認したいという方は2ページ目からご覧いただきたいと思います。

Contents

ラジオ2028年問題とは?

まず、ラジオ2028年問題とは何ぞや?ということですが、早い話がAMとして開業したラジオ局がFM局に転換するというものです。現在のAM局はワイドFMというFM補完中継局がありますが、これを親局、メインに引き上げてAM送信所を補完的に残すか、全廃することになります。これが次の免許更新となる2028年秋までに実施される見通しということで、民放ラジオ47局のうち44局がこのような発表を行っております。

民放AMラジオ局の在京3社(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送)を含む全国の民放ラジオ局44局は2028年秋までにFMラジオ局への転換を目指します。 | 文化放送
6月15日、民放AMラジオ局の在京3社(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送)は全国の民放ラジオ局47社の代表として会見を開き、2028年秋までにFMラジオ局への転換を目指すことを発表しました。

そのための実証実験として、現在運用しているAM中継局、または親局を一定期間停波させ、その結果を経てそのまま運用を止めるのか…などといったことを検討するのが主な流れとなります。なお、実験に参加するラジオ局は事前に申請を行い、2023年11月の免許更新時に特例が認められ、半年以上停波させたとしても電波法第76条第4項第1号で示した免許取り消し事由となる「無線局の運用を引き続き6ケ月以上休止した場合」から除外されることとなっています(詳細は総務省のこちらのpdfから)。

クリックして000712389.pdfにアクセス

ではなぜFM局に転換するのか。表向きの理由としては災害対策や難聴取対策としており、AMでのウィークポイントである電気雑音の影響を抑えることができるほか、AMの送信アンテナは広い敷地でかつ川辺など湿地帯の土地に設置しなければならず、集中豪雨などの水害の影響を受けやすいのに対し、FMのアンテナは山頂や鉄塔に設置するため、こうした水のリスクを受けにくいとされているからです。

しかし本音としてはお金の問題のようです。AMの送信所は広く設備の維持や更新へのコストが莫大なものになっている(設置後50年以上が経過しているものが多く、老朽化が深刻 令和5年版 情報通信白書より)。一方で昨今の民放連は営業収入が大きく落ち込み、特にAMラジオではかなり深刻なものとなっていて、AMの設備への更新が経営を圧迫しかねない、死活問題となっているようです。

民放AMラジオ44局が“FM化”へ。2028年秋までに転換目指す
全国の民放AMラジオ局は15日、合同で記者会見を開催。TBSラジオ、ニッポン放送、文化放送ら在京3社を含む44のラジオ局は、2028年秋をめどにFM局への転換を目指すと発表した。

このため、紆余曲折あって総務省が実証実験を認めた形になったわけです。ただ総務省としては積極的に関与するわけではなく、「あくまで民間ラジオ放送事業者の経営判断でFM転換の実証実験を行ってください、時期や転換そのものも強制はしませんよ、支援もけっしてしませんよ」とくぎを刺しているわけです。

この実験においては主に以下の要件を前提として行われます(これを満たしていない状況で申請を行い”不適”とされたケースあり。後述)

  • 実験の期間は概ね3ヶ月~1年程度で、成果については、公表し、他の放送事業者も含めて広く共有する。
  • 放送法第92条に基づきAM放送時の世帯・エリアカバー(トンネルでの受信などを考慮)率を最大限維持できるようあまねく努力する義務がある(民間FMラジオ局の世帯カバー率が平均約90%でありこれを満たすこと。なおradikoは遅延等が避けられないなどの理由で対象外である)
  • ワイドFM対応の受信機の普及を推進させる(転換後のFM放送を聞くために対応の受信機が必要であることを周知させること)
  • 実験期間中に大規模災害が発生した場合に速やかにAM放送を再開する(そのための手順・体制等をあらかじめ確認すること)
  • FM補完中継局の最大空中線電力引き上げは認められない(親局・中継局の置局の抜本的な見直しにもつながりかねないため)

実証実験への参加は13社のみ

さて、民放ラジオ47局のうち44局が2028年までのFM転換を目指すわけですが、そのロードマップは総務省が経営判断に委ねるとしていることもあり、各局バラバラです。しかしFM転換発表の旗振り役となったニッポン放送、TBSラジオ、文化放送といった在京AMキー局が2024年の実証実験を見送り、2028年にぶっつけでFM転換を目指すことになるなど、実験への参加は13社にとどまりました。理由としてはワイドFM対応ラジオが普及しきれていない、受信エリアに問題があるなど実験をするうえでハードルがあったようです。依然としてAMへの需要も高いことも背景にあるようです。

民放AMラジオ局の在京3社(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送)を含む全国の民放ラジオ局44局は2028年秋までにFMラジオ局への転換を目指します。 | 文化放送
6月15日、民放AMラジオ局の在京3社(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送)は全国の民放ラジオ局47社の代表として会見を開き、2028年秋までにFMラジオ局への転換を目指すことを発表しました。
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