今回は各ラジオ局で放送された防災特番のスポンサー調査を行います。
毎年防災の日にあたる9月1日前後、および東日本大震災発災の日である3月11日前後には防災特番を放送するラジオ局があります。内容は地域によってさまざまで、東日本大震災で被災した東北地方では復興への道を取材した特集が中心となる一方で、南海トラフ巨大地震によって甚大な被害を受けると想定される四国・山陰地方では震災への備えを啓発した番組が制作されていました。また震災のみならず、近年はゲリラ豪雨などの大雨による被害も深刻なものになっており、水害を取り上げる局もありました。
Contents
ライフサポーター・あなたを守る防災ラジオ今備えたい水害対策
在福ラジオ6局(RKBラジオ、KBCラジオ、FM FUKUOKA、CROSS FM、LOVE FM、NHK福岡放送局)が共同制作し、サイマル放送を行う特別番組。各々企業の防災や減災に関する取り組みを取材したり、専門家を招いて防災対策について伺ったりしています。今年は1999年の6・29豪雨から25年となることや、近年の線状降水帯によるゲリラ豪雨の多発を受け、洪水や冠水など水害対策に重点を置いて特集されました。
2005年3月に甚大な被害をもたらした福岡県西方沖地震をきっかけに、2006年から同一エリアの競合局が垣根を超えたサイマル特番を放送しており今年で19回目となっています。福岡県はJRNシングルネット局、NRNシングルネット局、JFN系列、JFL系列、外国語放送局、公共放送と他地域に比べラジオ局が多いのですが、そのすべての局(コミュニティFM除く)が参加する全国でもあまり見られない体制がとられています。
番組スポンサー
- いつもの朝と、新しい明日を西部ガス
- 家族でつくるいい一日 グッデイ
- ずっと先まで、明るくしたい。 九電グループ
- 助け合いの輪を結ぶ こくみん共済coop
- 不動産企画コンサルティングのモダンプロジェ
- 未来へつなぐ 笑顔のために 九電工
- ソニーストア福岡天神
CM構成(特注ない限り20秒)
- 12:02:18
- 西部ガスグッデイ九電グループこくみん共済coopモダンプロジェ九電工
- 12:47:00
- 九電工西部ガス九電工
CM秒数
- 1’00”
- 九電工
- 0’40”
- 西部ガス
- 0’20”
- グッデイ、九電グループ、こくみん共済coop、モダンプロジェ
- 提供読みのみ
- ソニーストア福岡天神
NHKを除く5局共通。ちなみにNHKのみ全国ニュース等の関係で放送時間が12時15分から12時55分、さらに12時47分から50分までは別番組を放送するため、このパートで残る5局(民間放送局)向けに提供アナウンスとCMを放送していました。
防災特番のため、生活に欠かせないライフラインのガス、電力会社がスポンサーに入っています。本編の取材パートでも災害時の取り組みや各家庭での注意点についてコメントを送っていました。このほか、災害グッズを取り揃えている地元のホームセンター、グッデイや共済といった災害時に必要とされる企業がスポンサーに付きました。
ラジオ福島 3.11特別番組「ともに、あしたへ。」
東日本大震災ならびに原発事故の被災地である福島県では、防災に加えて復興への道筋や震災の伝承、これからの福島県について多くのインタビューやレポートによって構成された特別番組を3月10日の13時より2時間特番として放送しました。復興が道半ばの中、震災を伝える人たちが減っているほか、震災を知らない世代が増えているという問題もあり、また各地での災害が増えていることからこの震災のことが風化されてしまいかねないという懸念も出ているようです。
番組スポンサー
- 世の中をニッチでリッチにする会社 福島ニチアス
- GSふくしま
- 人に、街に、大地に。 仙建工業
- 福島民報社
- バッテリーテクノロジーでもっと自由な未来へ 東洋システム
- 福島創価学会
CM構成(特注ない限り20秒)
- 13:15:58
- 東洋システム東京海上日動福島民報社GSふくしま仙建工業
- 13:38:48
- 福島創価学会福島ニチアスGSふくしま福島民報社東京海上日動
- 13:51:57
- 東京海上日動東洋システム仙建工業福島民報社
- 13:59:00
- ふくしま魅漁印(1’00”)時報
- 14:14:52
- 福島民報社GSふくしま東京海上日動福島創価学会福島ニチアス
- 14:37:40
- 仙建工業福島民報社東京海上日動東洋システム
CM秒数
- 1’40”
- 福島民報社
- 1’00”
- GSふくしま、仙建工業、東洋システム
- 0’40”
- 福島ニチアス、福島創価学会
エフエム鹿児島 そなえるラジオ
エフエム鹿児島では年4回にわたって「そなえるラジオ」というタイトルで防災特別番組を放送。2024年3月の今回は「能登半島地震の教訓、鹿児島では」と題し、能登半島での震災のメカニズムや鹿児島で同様の災害が発生した時の対応について考えていきました。
番組スポンサー
- オプシアミスミ
- アパートマンション探すなら 川商ハウス
- kts 鹿児島テレビ
- 学習塾の昴
- トヨタカローラ鹿児島
- ニシムタ
- ネクストニューヨークグループ
- 南九州ファミリーマート
提供読みのみ、CMは本編中流れず。
防災特番「RNCラジオ春の防災特別番組~今の備えで命を守れるのか~」
番組スポンサー
- 西村ジョイ
CM構成(特注ない限り20秒)
- 13:01:40
- 西村ジョイ
- 13:51:34
- 西村ジョイ
CM秒数
- 0’40”
- 西村ジョイ
IBCラジオ 「東日本大震災から13年 語り継ぐ3.11」
IBCでは4時間にわたって特番が放送されました。岩手県追悼式の様子を中継するとともに、発災当時のエピソード、被災地の復興に向けての取り組み、震災を語り継ぐための努力と苦悩を多数のインタビューを交え報道。また13時台には能登半島での震災の支援活動を中心に取り上げ、16時台には未来の防災についても考えていました。フェーズフリーという考え方がこれからの防災のキーワードになりそうですね。
番組スポンサー
- アート不動産
- 一般社団法人清流会
- 岩手県防災保安協会
- 岩手創価学会
- 岩手トヨペット
- 川徳
- JAいわてグループ
- デリバリー&ケータリング 美藤
- 東北銀行
- 遠野車輛工業
- 土日ジャンボ市
- ニッコー・ファインメック
- フレッシュフラワー
- 釜石 山崎建設
- 山田町観光協会
- 有限会社コム
- 陸前高田 共和建設
- 陸前高田 ムラスイ
- レクサス盛岡
スポンサーCMは流れずスポットCMが1時間に1度20秒分のみ放送。ただし2時台と4時台の定時ニュースでは別途スポンサーが入りCMも流れていました。
エフエム岩手「未来へつなげるRADIO」
番組スポンサー
- 電気工業株式会社
- LSI JAPAN
協賛各社のCMは流れず、全編スポットCM。
レディオキューブ FM三重『防災特別番組「備える!逃げる!」』
協賛スポンサー
- NTT西日本
- ミサワホーム
- ケーブルコモンネット三重
3社とも番組内で防災などの取り組みについてインタビューをオンエア。なお、ケーブルコモンネット三重はパートナー局を代表してアドバンスコープが登場。
エフエム秋田 防災特別番組「For Safety 災害への備え」
番組スポンサー
- 秋田県民共済
- 献血者の皆様の思いをお届けする 秋田県赤十字血液センター
- AKT秋田テレビ
- 秋田創価学会
CM構成(特注ない限り20秒)
- 13:32:43
- 秋田県民共済秋田県赤十字血液センター秋田創価学会
- 13:58:48
- 時報前スポット時報
- 14:21:03
- 秋田県民共済柿原徹也&KENNトークショー民放連
CM秒数
- 0’40”
- 秋田県民共済
- 0’20”
- 秋田県赤十字血液センター、秋田県赤十字血液センター
- 提供読みのみ
- AKT秋田テレビ
そのほか
- BSSラジオ、エフエム山陰『防災特別番組「命と暮らしを守るパートナー~いざというときのラジオ~」』はスポンサー無しのオールスポット。
- 愛媛県域の3つのラジオ局(南海放送、FM愛媛、NHK松山放送局)で放送された「ら♪ら♪ら♪ラジオです」もオールスポット。
- TBCラジオ『3.11みやぎホットラインスペシャル』は番組内の5時の定時ニュースならびに5時30分からの「ネットワークトゥデイ」含めてスポンサー無しのオールスポット。ただし日立ビルシステムズなど、復興への取り組みや被災者へのメッセージを1分間の企業CMにしたものが多く放送されていた。
- TOKYO FM『TOKYO NEWS RADIO~LIFE~特別番組 備えるラジオ』は尾西食品がスポンサー。ただしCMは本編中は流れず。序盤に登場した”食べ物の備え”のパートで尾西食品の「アルファ米」が取り上げられていた。
まとめ
同じ日本でも地域によって気温も地形的特徴も人口分布も異なるため、防災対策は各々地域でさまざまです。ただ、今年は1月1日の能登半島での震災による影響が現在進行形で続いており、想定される巨大地震への懸念も高まってきています。このため各ラジオ局では防災への意識を高めるための施策を行ってきていますね。私も改めて携帯ラジオを購入していざという時に使用できるようにしているほか、防災グッズや避難時に持っていく下着や飲料水をストックしたり、巷で叫ばれているローリングストックを実践したりしています。
ただ防災対策って正直キリがないため、あれもこれもやらなれば、となると途方に暮れてしまうし、それで普段の生活が縛られてしまう感じもします。まあ実生活の中で防災対策を取り入れなければいけないんでしょうけどねえ。