今回は2024年シーズンのプロ野球公式戦を最も多く実況中継したラジオ局を調査します。
プロ野球シーズン開幕時にスポンサー調査を行ってから、いろんなネタを考えてはボツにしてを繰り返し。年末を迎えるにあたりネタを増やしていきたいと思います。
Contents
はじめに…
昨今のラジオを取り巻く環境の変化により、野球中継の縮小は続いている一方で、中継をドル箱としている局も依然として多く、野球中継への対応は各局バラバラでした。中継数をしぼったところ、途中で競馬中継を挿入し始めたところ、延長制限を設けたところ…などなど。ここでは以下の球団の試合を中心に中継するラジオ局が、今シーズン何試合地元球団の試合を中継したかを集計してみました。
北海道日本ハムファイターズ
HBCラジオ「HBCファイターズナイター」
- ファイターズ戦中継
- 140試合/143試合
- 自社制作数
- 84試合(うち11試合オフチューブ中継)
例年通り、北海道日本ハムの試合をラジオ中継したのはHBCラジオとSTVラジオ。このうちHBCラジオは全143試合中140試合を完全中継しました。中継のなかった3試合は6月7日から9日に神宮球場で行われた東京ヤクルトとの交流戦3試合。これは中継の権利がHBCになかった(というよりSTVラジオが優先的に行ったため)で、やむを得ずRKBラジオ制作の横浜DeNA×福岡ソフトバンクの試合(横浜スタジアム)を7日と8日にBCラジオ制作の中日×東北楽天の試合(バンテリンドーム)を9日に編成しました。
制作においてはエスコンフィールドで行われたホームゲーム全72試合を自社制作、ZOZOマリンで週末および10月に行われた千葉ロッテのホームゲーム7試合(なお開幕戦は文化放送協力のもと現地からの実況中継を実施)、ベルーナドームで週末および9月30日以降に行われた埼玉西武のホームゲーム4試合をHBCのスタジオから中継映像にて実況する”オフチューブ“で制作しました。
他局制作の中継を見ると、みずほペイペイドームでの福岡ソフトバンクとの試合は12試合すべてRKBラジオ制作のものを局間(相手チームの制作局と同じ中継を放送。中立な実況が特徴)本番で中継、ZOZOマリンで平日に行われた千葉ロッテ戦は文化放送の制作による委託本番(相手チームの地元局に放送されない、HBC独自の応援実況を中継。俗にいう”裏送り”。)を5試合、楽天モバイルパークでの東北楽天戦は12試合中、月・火・土・日曜に開催された8試合がTBCラジオとの局間、水・木・金曜に開催された4試合がTBCラジオによる裏送り、オリックスのホームゲーム13試合は土日のデーゲーム7試合はABCラジオの委託中継(うち8月17日、18日は高校野球シフトによるABCアナウンサー不足のためHBCアナウンサーを実況等で派遣)、平日及び土日のナイトゲームとなった6試合はMBSラジオの委託中継、埼玉西武の平日ホームゲーム8試合はすべて文化放送制作の委託中継(ただし9月23日はSTVラジオが中継を行わないため、文化放送との局間本番)、交流戦は阪神との3連戦をABCラジオ制作の局間、広島東洋との3連戦はRCCラジオ制作の裏送りで中継しました。
ポストシーズンはCS1stステージがエスコンフィールド開催のため自社制作、みずほペイペイドームでのファイナルステージは第1戦と2戦はRKBラジオ制作の局間、第3戦は応援実況のため自社スタジオでのオフチューブ中継となりました。
STVラジオ「STVファイターズLIVE」
- ファイターズ戦中継
- 78試合/143試合
- 自社制作数
- 42試合
STVラジオは火曜から金曜のナイトゲームのみを原則として中継。日ハムの今シーズンは平日のデーゲームで行われた試合が3試合あり、いずれもニッポン放送をキーステーションに中継される(NRN系列)巨人戦を代替として中継枠に編成しました。
例外として週末に中継されたのは6月7日から9日に神宮球場で行われた東京ヤクルトとの交流戦3試合で、すべて神宮球場からの乗り込み中継を敢行しました。一方でネックとなっていた競馬中継も数回にわたり5分程度挿入することとなり、特に3戦目の決勝点につながるプレーの部分が競馬とかぶり、いきなりピンチを迎える状況に戸惑ったリスナーも少なからずいた模様。この時期は函館競馬場でレースが行われていてこちらにもアナウンサーが派遣されており、HBC側とすれば「譲ってくれよ」と思っていたかもしれませんね。このほか、翌週の15日にエスコンフィールドで行われた巨人との第2戦目も大東建託グループの特別協賛で中継。こちらは最大延長が22時までと通常の放送とは異なる時間制限つきの中継予定でした(中継時間内に試合は終了)。
制作においてはホームゲーム39試合と神宮球場の東京ヤクルト戦3試合は自社制作、福岡ソフトバンクのホームゲームは中継した9試合すべてKBCラジオとの局間、ZOZOマリンで行われた千葉ロッテのホームゲーム6試合はすべてニッポン放送の委託本番、楽天モバイルパークでの楽天戦はHBCとは逆に火曜放送分はTBCラジオによる裏送り、水曜から金曜はTBCとの局間。オリックスのホームゲームはいずれも金曜開催だったため、ABCラジオに制作委託(ただし8月16日は高校野球期間中のため、実況はSTVから派遣)。埼玉西武のホームゲームは7試合をすべて文化放送との局間で中継しました。
ポストシーズンはCS1stステージがエスコンフィールド開催のため自社制作、みずほペイペイドームでのファイナルステージは第3戦まですべてKBCラジオとの局間本番となりました。
東北楽天ゴールデンイーグルス
TBCラジオ「TBCパワフルベースボール」
- イーグルス戦中継
- 106試合/143試合
- 自社制作数
- 68試合
TBCでは今シーズンのイーグルス戦を106試合中継しました。ホームゲームは72試合中69試合を放送。野球オフシーズンとなった9月30日以降の試合においては開幕前の予定であらかじめ組まれていた9月30日と10月1日、および雨天中止の影響で日程変更となった10月5日と8日の日本ハム戦でHBCとの局間放送のため中継、シーズン最終戦だった9日の埼玉西武戦など3試合は中継なし。
8月1日に東京ドームで開催された東北楽天のホームゲームである福岡ソフトバンク戦はニッポン放送が裏送りで制作し、TBCとKBCがネットする形をとりました。つまりTBCによる委託本番でこの形式をとったのは2024年ではこれが唯一。千葉ロッテ戦や交流戦の横浜DeNAといったビジターゲームでは委託制作を取っていないため1試合も中継しませんでした。そんな中、東北楽天がビジターとなったオリックス戦を唯一、8月15日にMBSラジオ制作で中継していました。というのもこの試合は委託制作ではなく、この日の阪神戦が組まれていなかったMBSラジオがオリックス×東北楽天を制作し本番のカードにしたため、局間本番の形になったのです。オリックス戦だとまれにこういうケースもあり得るんですよね。
このほかのビジターゲームでは福岡ソフトバンクとは火・土・日がRKBとの組み合わせで8試合、水から金に加え、8月12日(月曜日)のデーゲームがKBCとの組み合わせで3試合、白のキセキがらみで京セラドーム大阪での開催となった5月22日はKBCがMBSに委託制作した中継を放送。北海道日本ハムとは月・火・土・日がHBCとの組み合わせで6試合、水・木・金曜日はSTVとの組み合わせで7試合中継。平日の埼玉西武を文化放送との局間で5試合(当然週末は文化放送が中継をしないためTBCでも中継無し)中継。交流戦ではビジターの中日戦が6月7日(金曜)が東海ラジオ、8日(土曜)と9日(日曜)がCBCラジオとの局間、阪神戦は6月4日(火曜)がABC、5日(水曜)と6日(木曜)がMBSとの局間中継でした。
なお、東北楽天のホームゲームでも地方球場開催の試合が数試合あり、5月8日に秋田県・あきたこまちスタジアムで行われたオリックス戦は自社スタジオでのオフチューブだったことがレポートを入れていたアナウンサーのインスタグラムで明らかになっています。また、競馬のG1レースが行われる日はかならず15時から1時間の競馬中継を入れるため8試合で中継の中断が発生、中断中に試合が終わったというケースも数試合で見られました。
埼玉西武ライオンズ
文化放送「ライオンズナイター」
- ライオンズ戦中継
- 79試合/143試合
- 自社制作数
- 52試合
文化放送では月曜から金曜のナイトゲームで開催される埼玉西武の試合を最大延長21時30分で中継しました。他地域では地元球団の試合は原則試合終了だったり、23時くらいまでの延長オプションをつけて最後まで放送するのが基本ですが、文化放送ではレギュラー番組を優先するためこのような措置を取っています(尤も、公式のYoutubeでは試合終了まで完全実況かつインタビューも放送、アーカイブも残ります)。さらにデーゲームはラジオで中継されないため、代替でRKB制作の福岡ソフトバンク戦やHBC制作の北海道日本ハム戦をネットするケースがありました。
中継した試合のうち、ホームゲームの40試合、ビジターではZOZOマリンのロッテ戦9試合と神宮のヤクルト戦3試合の計52試合を自社制作。そのほかビジターゲームは福岡ソフトバンク戦はすべてRKB制作の局間で6試合、北海道日本ハム戦はHBCとの局間で4試合、東北楽天戦はTBCとの局間で3試合、オリックス戦が金曜日にあたった6月21日のみMBSの委託本番、9月24日は阪神戦がなかった関係でABCとの局間本番、そのほかの8試合はABCの委託制作による中継(8月6日、7日、8日は高校野球期間中のため、実況担当を文化放送から派遣)、中日戦は5月28日からの3連戦をすべてCBC制作、阪神戦は6月7日のみ中継でMBS制作でいずれも局間本番でした。
ちなみに福岡ソフトバンク戦はすべてRKB制作だったのですが、7月2日の東京ドームの試合もRKBの制作したものをネットしていました。東京でのゲームを福岡のラジオ局が制作して東京のラジオ局に中継。しかも当日は文化放送のアナウンサーもドームの実況席にいたにも関わらず、その実況も生中継用ではない。という契約の関係なのか謎な中継の仕組みになっていました。
ポストシーズンでは日本シリーズを全試合試合終了まで中継。うち第1戦、2戦、5戦、6戦の横浜スタジアムでの試合を自社制作で、3戦から5戦目までのみずほペイペイドームでの試合はKBC制作のものをネットして放送しました。なお、第2戦となる10月27日は衆院議員選挙の開票速報のため19時50分から20時20分の間中継を中断しています。
読売ジャイアンツ
ニッポン放送「ショウアップナイター」
- ジャイアンツ戦中継
- 104試合/143試合
- 自社制作数
- 102試合(ジャイアンツ戦以外も含めて)
ニッポン放送では巨人の試合を火曜から金曜のナイトゲームを中心に104試合放送。またNRN系列のキーステーションであることから全国向けに巨人戦以外の試合も制作・放送しています。巨人のホームゲームだけでなく、神宮球場や横浜スタジアム、ハードオフ新潟や松本などの地方球場、さらにスペシャルウィーク期間中にはエスコンフィールドに楽天モバイルパークに甲子園に京セラドーム大阪にマツダスタジアム…と全国各地の球場から中継を敢行。これだけやれば経費がかかるというのもうなずけますね。
ポストシーズンではCS1stステージから日本シリーズまで全試合試合終了まで中継。1stステージは甲子園球場開催のためMBSラジオ制作のものを局間で、ファイナルステージは全試合自社制作、日本シリーズは横浜スタジアムで行われた第1戦、2戦、5戦、6戦を自社制作、みずほペイペイドームでの第3戦から第5戦は通常KBCとなるところを今回はNRN系列のネット局が文化放送だったため、こちらはRKB制作のものを局間本番で放送しました。ニッポン放送でRKBの中継を聴くというのも新鮮でしたね。
ラジオ日本「ジャイアンツナイター」
- ジャイアンツ戦中継
- 27試合/143試合
- 自社制作数
- 25試合
もはや不定期放送といった方がいいかもしれないラジオ日本では巨人ホームゲームの試合を25試合制作・放送。そのほか6月14日にエスコンフィールドで行われた北海道日本ハム×巨人(HBC制作)と、7月19日にバンテリンドームで行われた中日×巨人(CBC制作)の2試合のビジターゲームを中継しました。
中日ドラゴンズ
東海ラジオ「ガッツナイター」
- ドラゴンズ戦中継
- 140試合/143試合
- 自社制作数
- 77試合
東海ラジオの数少ないストロングポイントである野球中継、2024年シーズンは140試合を中継。中継できなかったのは8月24日、25日、9月16日に東京ドームで開催された巨人戦の3試合。東海ラジオの場合はビジターゲームの巨人戦が週末になる場合は、文化放送が全国ネット用に制作しない限りは中継できないみたいですね。一方で9月15日(日曜)のナイトゲームは文化放送が裏送り用に制作したため放送できたことになります。
台風接近により8月30日からのVS横浜DeNA3連戦が中止になり、10月4日から6日に延期となりましたが、2024年はこの3連戦も中継(ただし最終戦はあらかじめ編成されていた公開生放送優先のため、試合途中の15時から中継開始)しました。
ホームゲームの全71試合に加え、神宮球場のヤクルト開幕3連戦、さらに交流戦ビジターの北海道日本ハムと千葉ロッテの6連戦をスペシャルウィークのため現地に乗り込んで中継。これを合わせ自社制作は80試合でした。
ビジターゲームでは、巨人戦が火曜から金曜のナイトゲームをニッポン放送制作で9試合(いずれも「ショウアップナイター」でも放送されており、局間本番となる)、前述のように文化放送制作で週末の1試合、阪神戦は火曜・水曜・木曜ならびに土曜のデーゲームはMBSとの局間で7試合、日曜のデーゲームはMBSが競馬中継優先のため裏送り(委託本番)で1試合、金曜と土日のナイトゲームはABCとの局間で4試合を中継、広島戦は12試合をRCCの制作で金曜日及び土日のナイトゲームは局間、土日のデーゲームは裏送り(ともにCBC向けとの二重制作、RCCラジオでどちらが放送されているかの違い)、横浜DeNA戦は13試合を火曜から金曜はニッポン放送制作(委託本番、4月10日と7月11日は「ショウアップナイター」でも放送される局間)、土日は文化放送制作の委託(土曜分はKRYラジオでネットされる場合あり)で放送、ヤクルト戦も開幕3連戦を除く10試合を火曜から金曜はニッポン放送、土日は文化放送委託で中継、交流戦ビジターで唯一委託本番を取ったオリックス3連戦は金曜日をABC、土日をMBSが裏送り制作しました。
CS1stステージはMBS制作分を、ファイナルステージはニッポン放送制作分を全試合ネット、日本シリーズは横浜スタジアム分はニッポン放送制作、みずほペイペイドーム分はKBC制作の中継をネットし全試合放送しました。
CBCラジオ「ドラゴンズナイター」
- ドラゴンズ戦中継
- 127試合/143試合
- 自社制作数
- 87試合
CBCではビジターの東京ヤクルト戦を除くドラゴンズ戦を9月29日まで完全中継、オフシーズンに入った30日以降の試合3試合は中継がありませんでした。バンテリンドームで開催されたホームゲームは現地からの実況でしたが、岐阜・長良川での公式戦はCBCテレビの映像を使ったオフチューブによる中継で、更にハマスタでの横浜DeNA戦もすべてオフチューブ、スペシャルウィークだった交流戦の北海道日本ハム戦と千葉ロッテの6連戦でも、東海ラジオが現地乗り込みを敢行したのに対し、CBCではオフチューブと経費を抑えに抑えた体制で臨みました。
このほかビジターゲームでは巨人との13試合をすべてラジオ日本の制作(うち火曜から金曜分は局間、週末分は委託制作)、阪神との12試合は火曜から木曜のナイター、土日のデーゲームはABC制作の局間本番で8試合、金曜、それに土日のナイトゲームはMBSとの局間本番で4試合中継、広島との12試合はRCCの制作で土日のデーゲームは局間本番、金曜と土日ナイトゲームは裏送りで中継、オリックス戦は5月31日がMBS、6月1日と2日はABCによる委託制作を受けました。
阪神タイガース
ABCラジオ「ABCフレッシュアップベースボール」
- タイガース戦中継
- 143試合/143試合
- 自社制作数
- 97試合+オリックス戦1試合
関西エリアにおいて一番radikoで聴かれている番組「ABCフレッシュアップベースボール」は公式戦143試合すべてを中継”した”ことになりました。というのも、本来8月17日の中日戦はデーゲームとなっていて高校野球とかぶるため、当日はナイトゲームの横浜DeNA×巨人を代替として中継する編成になっていたところ、試合が延長12回引き分け、4時間40分以上かかったために(ちなみにこの試合が2024年の阪神の試合時間で最も長かった)、最終盤の50分間だけでしたが中継できてしまったのです。今年から高校野球はradikoのチャンネル「オーディオ甲子園」で完全中継できるようになったわけですが、2025年以降は「オーディオ甲子園」に一元化して野球優先ということになるのでしょうか?
自社制作はニッポン放送に続いて多く、ホームゲーム72試合のほか開幕戦の東京ドーム3連戦、広島戦9試合(4月30日、5月1日、5月21日、22日、23日、7月2日、3日、4日、9月27日。いずれもRCC技術協力)、横浜DeNA戦6試合(4月23日、24日、8月27日、28日、9月21日、10月3日。TBSラジオもしくは文化放送技術協力)、ヤクルト戦1試合(9月28日)、オリックス戦3試合(6月11日、12日、13日)、福岡ソフトバンク戦3試合(6月14日、15日、16日。いずれもKBC技術協力)を乗り込んで放送。9月30日のオフシーズン以降の2試合が消化試合だったこともあり延長なしの放送だったほかは基本試合終了までの完全中継となりました。
ポストシーズンは阪神×横浜DeNAの1stステージを制作、2試合とも試合終了まで放送しました。
MBSラジオ「MBSベースボールパーク」
- タイガース戦中継
- 129試合/143試合
- 自社制作数
- 93試合+オリックス戦3試合
MBSでは日曜デーゲームが競馬中継優先のため放送されなかった以外の129試合で中継を実施。4月23日、24日の横浜DeNA、9月8日のヤクルト戦は変則的な試合開始時刻(18時より前の開始だった)でしたが、中継開始時間を早めることはなく、試合途中から中継を行っていました。ただABCに見られたオフシーズンの延長なしという措置は取らず、全試合試合終了までは中継していました。
自社制作はホームゲーム67試合に加え巨人戦2試合(3月29日の開幕戦、7月15日、ラジオ日本技術協力)、広島戦4試合(8月23日、24日、25日、9月27日)、横浜DeNA8試合(5月10日、11日、8月2日、3日、4日、9月20日、21日、10月3日)、東京ヤクルト戦5試合(4月5日、6日、9月6日、8日、28日)、オリックス戦3試合(6月11日、12日、13日)、福岡ソフトバンク戦2試合(6月14日、15日。いずれもRKB技術協力)、千葉ロッテ戦2試合(5月31日、6月1日)。
ポストシーズンは阪神×横浜DeNAの1stステージを制作し、これはニッポン放送や東海ラジオにも中継。阪神が敗退した後もファイナルステージと日本シリーズを全試合完全中継しました。
広島東洋カープ
RCCラジオ「Veryカープ RCCカープナイター」
- カープ戦中継
- 143試合/143試合
- 自社制作数
- 74試合
RCCはカープのレギュラーシーズンの試合を143試合すべて完全中継。
自社制作したのはホームゲーム全71試合と横浜スタジアムで行われた横浜DeNAとの開幕3連戦を合わせた74試合。このほかのビジターゲームでは横浜DeNA戦は火曜から金曜のナイトゲームはニッポン放送委託7試合、土日デーゲームはラジオ日本委託2試合、巨人戦は火曜から金曜のナイトゲームはニッポン放送制作8試合(すべて「ショウアップナイター」との局間)、土日デーゲームはラジオ日本委託で4試合(ニッポン放送が独自で制作・放送した4月13日、14日も同様)、阪神戦は13試合すべてABCとの局間、ヤクルト戦は火曜から金曜のナイトゲームはニッポン放送委託制作で9試合、土日ナイトゲームが文化放送委託制作で4試合、中日戦は火曜から金曜のナイトゲームに加え、土日ナイトゲームは東海ラジオとの局間で7試合、土日デーゲームはCBCとの局間で6試合、福岡ソフトバンク戦は5月31日がKBC、6月1日、2日はRKBとの局間、楽天戦は3試合ともTBCとの局間、西武戦は3試合ともニッポン放送委託で放送されました。
福岡ソフトバンクホークス
KBCラジオ「KBCホークスナイター」
- ホークス戦中継
- 118試合/143試合
- 自社制作数
- 74試合
KBCは原則月曜と土日のビジターゲームを除く試合で中継を実施。自社制作は京セラドーム大阪で開催されたオリックスとの開幕3連戦と優勝が決まる試合だった9月23日(当初は中継予定なし)、ホームゲームのうちみずほペイペイドーム、長崎など九州の地方球場で開催された試合を合わせた74試合でした。一方で京セラ開催のホームゲームだった5月22日は通常のオリックス戦に倣いMBSの委託で放送。同じくホームゲームで東京ドーム開催だった7月2日はニッポン放送委託制作での中継となりました。
このほかのビジターゲームは北海道日本ハム戦5試合はすべてSTVとの局間、ロッテ戦8試合はすべてニッポン放送委託(8月30日は委託予定がNRN系列で放送する試合が天候不良になったため急遽全国ネットに変更)、楽天戦は8月1日の東京ドームでの開催はニッポン放送委託、ほか楽天モバイルパークの9試合はTBC制作で火曜開催は裏送り、水曜から金曜は局間で中継、オリックス戦は金曜ナイトゲームだった9月13日がABC委託、火曜から木曜のナイトゲームだった6月25日から6月27日、7月9日と7月10日はMBS委託、西武戦6試合はすべて文化放送との局間、交流戦は巨人戦は3試合ともニッポン放送との局間、中日戦は3試合とも東海ラジオとの局間、横浜DeNA戦は金曜のみの中継でニッポン放送委託で中継されました。
クライマックスシリーズはファイナルステージを3試合とも制作しSTVにもネット、日本シリーズは横浜スタジアム分はニッポン放送制作、みずほペイペイドーム分はもちろん自社制作で文化放送のほかMBS、東海ラジオにもネットされました。
RKBラジオ「RKBエキサイトホークス」
- ホークス戦中継
- 143試合/143試合
- 自社制作数
- 76試合
そしてRKBはホークス戦のレギュラーシーズン全試合を中継しました。ただ中継はしたんですが土日のデーゲームは15時からの競馬中継のため必ず中断が生じるため、中断中に試合が終わってヒーローインタビューも流れないまま次の番組に入ることが頻発。4月と5月に関しては土曜の放送枠が16時59分で試合途中で中継をぶった切られることもありました。「週末土日もRKB」といううたい文句とは対照的に今シーズン最長試合、4時間半超えとなった4月28日のホームゲームで最後まで放送したのはKBCの方で、RKBは衝撃的なサヨナラ勝ちのシーンを伝えられないままあっさりと中継終了する始末。6月以降は土曜に関しては延長オプションがついたものの、9月7日、スポンサーが多数ついたサンセットライブ特番の日に予告もなく中継を途中終了し特番優先する、ということもありました。また日曜は最後まで17時34分までという時間制限が付いたままで、9月15日、最終盤の試合で延長12回の試合を最後の最後まで中継できずに終了。この試合は北海道日本ハム戦が雨天中止になったためHBCが急遽中継することになったのですがRKBとは異なり最後まで、しかもヒーローインタビューまで流すという地元福岡のラジオ局のお株を奪う太っ腹な編成を敢行していました。
自社制作としては京セラドーム大阪の開幕戦と優勝を決めた試合(もともとはMBS委託だったところを急遽乗り込み)、ホームゲームでは5月22日のオリックス戦以外の71試合、ビジターゲームでは交流戦の横浜DeNA戦3試合の計76試合。このうち交流戦はオフチューブによる中継で、ホームゲームでも長崎など地方球場開催はオフチューブだった模様。文化放送にも流れた東京ドームでの試合は乗り込みだったのか不明。東京の試合で文化放送が制作せず福岡のラジオ局がオフチューブだとかなり不自然な中継となるのですが…
局間および委託制作を受けた試合は、北海道日本ハム戦はすべてHBCとの局間で13試合、千葉ロッテ戦は水曜から金曜は文化放送委託、土日はニッポン放送委託、楽天戦12試合はTBC制作で火曜と土日は局間、水曜から金曜は裏送り、オリックス戦は火曜から木曜のナイトゲーム、土日デーゲームはABC委託で8試合、金曜・土曜ナイトゲームと月曜デーゲームはMBS委託で3試合、西武戦は12試合中火曜から金曜のナイトゲームは文化放送委託、土日はニッポン放送委託、交流戦では巨人戦が3試合ともラジオ日本との局間、中日戦は3試合ともCBCとの局間で放送しました。
クライマックスシリーズはファイナルステージを3試合とも制作しHBCにもネット、日本シリーズは横浜スタジアム分も含め全試合自社制作。この時は横浜に乗り込んでの実況を行っていました。また、みずほペイペイドームでの福岡ソフトバンクホームゲームにおいては自社制作したうえでニッポン放送にネットしていました。
まとめ
今年の各局中継スケジュールをまとめた表はこの通りです。
全143試合を放送したのはRCC、RKB、ABCの3局で、このうち全試合完全中継を行ったのはRCCのみ。ほかには東海ラジオとHBCが140試合でこのあたりが力を入れて放送していたところと言えそうです。
来シーズンに向けては競馬中継で中断を入れたり、試合途中でバッサリ切るケースも多々あったRKBや実況アナウンス陣で変動がかなりありそうなKBC、オフチューブ中継がかなり増えたCBCあたりがどのように対応してくるかが注目ですね。またエスコン特需でかなり盛り上がった北海道日本ハム戦を扱うHBCはスポンサーもかなり増えてくるのかどうか。来年はヤクルト戦もエスコン開催のホームゲームになるため143試合すべての完全中継も可能です。スタッフのマンパワーや移動などもあって制作現場は今まで以上に厳しい状況とは思いますが、野球中継はラジオで聴くだいご味でもあるため、できる限りは積極的に制作・放送を続けてもらいたいものです。