土井:生放送が始まって20分経ちますが、今のお気持ちは?
小沢:え?楽しいですよ。今”アルペジオ”っていうもうあと何時間かで配信が出てっていうのをジャケットを見ていただいて
土井:そうなんですよ。もうファンのみなさんすみません。どこまで言っちゃっていいんでしょうか?
小沢:平気ですよ。見た通りを、ラジオですから。
土井:あの、えーと…お祝いのお金が入ってるような形をしてます。
小沢:昨年日本に長くいて、いろんなものを見ていて普通のデザインとかしちゃいけないなと思って。僕は自分でデザインするんですが、すごく変えなきゃいけない、すごく壊さなきゃいけないと思って、そういうデザインになっていて。値段とか品番とかが入ってるんですが、それは全部アクリル板を切り抜いたやつをホントにぶら下げて、品番から何から写真の中に入っていて。
土井:手間がかかることを…
小沢:何か、デザインしてるといろんなものが動かせるんだけど、その動かせるのが気持ち悪くなってしまって。だって現実ってコントロールできないじゃないですか。
土井:これだって風で揺れたりとか
小沢:風で揺れてる中でただ1枚写真を撮って、そしてめっちゃくちゃな形にして
土井:ギザギザにもほどがあるっていうようになっているのと、あと歌詞がどこにも見当たらないと思ったら
小沢:透明な紙に白文字で歌詞を印刷してあって、裏面が
土井:奇麗な夜景なんですけど…
小沢:裏面の曲はライブで録音した、満島ひかりさんと僕で東京湾に船を出して二人で歌った「ラブリー」の音源がもう1曲入っております。そしてその時の感じで東京の夜景の中に透明で文字を刷ったジャケット。斜めにしないと何にも見えない。
土井:でもところどころ文字があってそれだけを読んでいるだけで「なんてことでしょう」っていう気持ちで
小沢:だから配信で聴いてもらいたいんですけど、でもジャケットはものすごく気持ちよくできました。あるかもしれなかったあるかもしれない生活。
「リバーズエッジ」に関しては、過去を振り返る作品でなければ、今の若い人がどう思うとか一切考えないで、とにかく「リバーズエッジ」を描いた時の岡崎京子なり、その時遊びに行ってた僕なり、その人たちがいいと思うようにって思ったらそういう風になりました。それで東京の路地に時計を置いて写真を撮って。あるかもしれないけど。
土井:みなさんあと何時間は一緒に妄想しましょうね。
小沢:「ある光」は銀杏BOYZの峯田和伸君とそれこそ下北の路上でやったんですがそれもよくて僕も大好きです。
土井:私も大好きです。きっとみんな大好き。大阪の”サムガールズ”さん。”小沢さんがお住いのニューヨークでは、雪が積もったらお子さんとどんな遊びをしてるのか教えてほしいです。”
小沢:そのお子さんさっきからウロチョロしてるんですけど。消すようにしてたんですけどね。「雪が降ったら何するの?」何か分かんないから置いときましょう。普通ですよ、普通。日本にこないだ。東京にドカ雪が降った時に思ったんですけど、あの雪は湿気が多いから雪玉にしやすいんです。アメリカ北西部、北東部ってホント寒いんで、固めようとしても球になんないんです。イマイチ雪合戦にならない。日本だと鈍器くらいの。あれで子供がすごいびっくりしました。
土井:遊び方は同じ。雪だるま作ったりして遊んでるんですね。
小沢健二、ラジオで4つの“大阪”トーク
小沢:さっきの冒頭の朗読であったように大阪をモロに語ることは無くて、今思ってる普通のことをどんどん話したいと思って話したんですけど、それかやっぱり”アルペジオ”を聴いてもらうのが一番かなと思って話した時もあったし、すごくいろんな面白い話をもらって、その中で「この都市だな」と思うことがいくつかあって、話しています。「古くて、強い都市だな」と思いました。大阪城を見ながら話してました。
あと、告知系では2/13、19時より大阪城ホール4/29のライブチケット発売になります。抽選とかが無くて、13日の19時にタイミングが合えばぜひ買ってください。29日大阪城ホール空いてるって聞いて絶対にやろうと思ってしまって、日曜日で、ゴールデンウイークで。「春の空気に虹をかけ」というタイトルです。大阪のあちこちにでっかいポスターとか出ます。タワーレコードのよりずっとでっかいもの使っています。横11mくらい
土井:でっかいです。いやあ楽しみにしています。今分かっているのが36人編成ファンク…
小沢:36人編成ファンク交響楽。これはノリで言ったんですけど、そういう感じです。36人編成です。もう大変です。でもすっごい気持ちいい音出ると思います。”流動体について”とか死ぬと思います。36人編成でやると。
土井:生きて帰れないかもしれ、そんなことない。
小沢:他のもっときれいな曲もやりますが、激しいやつもやります。ストリングスセッションでっかいのが入ります。
土井:あの…何か1個だけいいですか?私ね、ごめんなさいねリスナーのみなさん、でもそういう方多いと思うんですけど、私今年もうちょっと41になるんですね。40ってすごい境目だと思うんです。今ラジオ聴いてくださってる方も残業中の方とか、お仕事途中という方も多いと思うんですけど、なんかいろいろ迷いが出る年齢かな、と思うんですけど、小沢さんはどうでしたか?
小沢:でも男性と女性の年齢の感じ方って違ったりするからね。全然自然に今こうなっていると思います。でも必ずしも自然にしていられるわけではないから、「ずっと自然にしろよ」なんて全然思わないし、状況との格闘の中で進むのが人間らしくていい気がします。
土井:「ある光」聴いて頑張ります。なかなか先輩にならないといけないのになれない人も多いと思うんですけど私もそうで
小沢:先輩ね、先輩なれてるのかな?
土井:例えばお父さんになられた時とか自然にお父さんになっていくものなんですか?
小沢:そうですね。あまり、ショックとかはなかったですね。いっぱいいろんなものもらいましたけどね、「あ、こうなんだ」ってのも。下の子からもいろいろもらっておりますが。いやあでも分かんないですよ。どういう風に、どうなってるのかは。何も。答えは全くない。
土井:まだ途中って感じですかね。
小沢:答えでないですね。
土井:いつか出るんですかねえ。
小沢:でも”アルペジオ”はそういうのは全部ぐっしゃぐしゃにしてて、わざと23年前とかに撮ったアーティスト写真とかにしてるんですけど、その時の自分と行ったり来たり出来るじゃないですか。今生きているんだけど、今の自分だけじゃないし、20代前半の自分だとしても、そこだけで生きてるわけではないですよね。子供時代のこととか、その先とか。いっぱいある中で生きている。”アルペジオ”っていうのはそういうのをグシャグシャにした曲です。ていうのはそういうのも岡崎京子さんとの関係でできていて、ちょっとすごい不思議なんですけど、「あれはこうするのが正しい」ってやった曲です。
土井:最終的には”アルペジオ”が楽しみでたまらないという。
小沢:僕もそういうことを考えながら作った曲です。さっきおっしゃったような年齢を重ねることとか、じゃあ若かった時の関係ってどういうことなのかとか、今一緒に生きている若い人はどういうものなのかとかそういうものを思いながら作った曲です。
土井:かみしめます。ということで短い時間だったのか、長い時間だったのか
小沢:時間ってそういうもんです。というのがさっきの答えかもしれないです。
MUSIC:「シナモン(都市と家庭)」小沢健二
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