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あらすじ・感想
06 ショット
スナフ・フィルムのDVDを手に入れようとする男がターゲットとなる作品。男はオークションにあげられているそのDVDを何としてでも手に入れようとします。実はそこに映っているある出来事に大きくかかわっているからです。しかし…一番残酷な最期を遂げることになる、かなりゾッとする結末です。
05 ピース・メーカー
大手ホテルをリストラになった男が、別のホテルチェーンでの面接を受けに行った会場である事件に巻き込まれる作品。男も含め、集まったメンバーは子供を連続殺人事件で亡くしていた被害者遺族。そこで男たちは毒を飲まされた上に、犯人からの依頼で「あるもの」を差し出さなければならなくなります。やがて仲のよく見えた男の家族に隠された大きな秘密が露わになり、連続殺人事件の別の真相が明らかになるのです。
04 コールド・ケース
和樹と朝美が援助者のメンバーに加わるきっかけとなった事件。食い物にされていた男を殺してしまった和樹と朝美。スーツケースに死体を入れ持ち運ぼうとしていたところを、女2人が乗る1台の車が通りかかり乗ることになる。しかし休憩中に話を立ち聞きされてしまった二人は、女たちを襲おうとする…。
登場人物で書いてしまいましたが、殺した相手が援助者のターゲットになっていたという話。援助者のルールで”仕事”を目撃した相手は消されてしまうということで、結局二人はメンバーに加わらざるを得ないことに。ただそもそも援助者の仕事に耐えられるかどうかという問題もこの先に出てきます。それが「TAKER」で起きるある事件につながるわけですが。
03 トマス
メジャーデビューを目指すライブ当日、バンド「トマス」のボーカルである女は何者かに襲われ拘束される。さらに、「トマス」の一番のファンであったもう一人の女も違う場所に拘束されていた。そして二人は「トマス」のギタリストである男が殺されたことを知る。その男は生前「二人の女どちらかに殺される。真犯人に告白をさせて同じ目に遭わせてくれ」という依頼を出していた。二人は殺したことを否定するが…。
立案者(プランナー)のデビューとなるケース。作詞や衣装デザインなどを一番のファンだというもう一人の女にやらせ、それを自分でやったと偽っていたボーカル。金でギタリストやライブハウスのマスターを利用していたことなど、徐々に化けの皮が剥がされ、ついには決定的なことを口に出してしまいます。コンフィデンスマンばりの立案者の巧みな心理の遠隔誘導が見事な形で実を結ぶ作品。こういうのがドッキリのネタにあったら怖いですね。
02 ロスト・ボーイ
とある病院にて。余命いくばくもない父親の見舞いに訪れていた少年のもとに義波が現れる。復讐代行業者を名乗る男は2年前に起きた小学生3人の自殺の話を少年にする。少年は自分の関与を否定するのだが…。
一見普通の見舞いと見せかけておいて、実はこれにある企みがあることが最後に明らかになります。そして少年がどうやって3人を死に追いやったのか。その秘密も暴かれる。少年こと立案者(プランナー)がスカウトされるという前日譚になっています。
01 ギバー
殺し屋を引退した男のもとに尾崎春香を名乗る女がやってくる。この男が彼女の両親を殺害したことを突き止め、その際に盗ったものを返して欲しいという。男は怪しみながらもその品”指輪”を返し、更に襲おうとする春香を返り討ちにして殺してしまう。しかしその直後、外から春香とそっくりの声が聴こえてくる。おそるおそる扉を開けてみると…。
尾崎冬矢=”GIVER”誕生のエピソードとなっています。両親と姉を殺した殺し屋を反対に自分が殺害するという話で、ここにテイカーからの命を受けた町田がやってきて引き合わせるわけです。しかし、人を殺しても、死体を見ても全く動じないという尾崎冬矢に町田は恐ろしさを感じ、それは援助者として多大な貢献をしてもなお、ぬぐい切れないものとして残ります。
と、ボスの一存で立ち上がった援助者。綿密なシナリオで残酷なまでに相手を落とし込む一方、いびつな関係で出来上がった援助者という形も表され、続く「BABEL」以降の更なる波乱を予感させます。