2024年度から開始されているFM転換実証実験の第2期が2025年12月1日から実施されます。これを受け、8月1日に総務省のホームページにて新規で実験を行うラジオ局、および現在実験を行っているラジオ局で新たに休止される中継局が発表されましたのでこちらでまとめていきます。
なお、FM転換実証実験については第1期実施前から特集を組んで以下の記事にもまとめております。なぜ実証実験を行うのか。どういうことをするのか。実験を行っているラジオ局は…などなど、合わせてご覧いただければ幸いです。


概要
AMとして開業したラジオ局47局中44局(北海道放送、STVラジオ、秋田放送除く)が2028年秋の放送局の免許更新時に、FM補完中継局をメインに引き上げてAM送信所を補完的に残すか、全廃するかなどしてFM局への転換を目指すことが2021年に発表されました。表向きの理由として災害対策や難聴取対策、一番の要因はお金の問題が挙げられます。AMの設備の維持や更新へのコストが莫大、しかも老朽化が深刻になっています。更に昨今の営業収入の不振もあり、FM局への転換はAMラジオ局にとって死活問題なのです。
こうして前回の免許更新だった2023年11月に、この実験を実施するラジオ局が実験のための特例措置を申請し認定されました。中継局を運用休止させても、電波法第76条第4項第1号で示した免許取り消し事由となる「無線局の運用を引き続き6ケ月以上休止した場合」から除外される、というものです。第1次特例措置適用期間は2023年11月1日から2025年1月31日まで(実証実験の期間としては2024年2月1日から)で、のちに第2次特例措置適用期間の設定に伴い、2026年10月31日まで(実証実験の期間としては2026年9月30日まで)延長されています。
しかし、第1次特例措置を申請したラジオ局、つまり実証実験を実施したラジオ局は、44局中3分の1以下の13局にとどまりました。これを受け、総務省では「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」における議論を踏まえ、第1次特例措置期間では遅延などの理由で対象外となっていた「radiko等のインターネット配信サービスによるカバー」が認められることとなりました。これには1回目の特例措置を見送ったラジオ局もパブリックコメントで基本的に賛同する旨を表明しており、要件を大幅に緩和したうえで、第2次特例措置適用期間が2025年9月1日から2026年10月31日(実証実験の期間としては2025年12月1日から2026年9月30日まで)に実施される…というわけです。

第2次実証実験参加局は14局
今回、第2次特例措置を申請して実証実験を行うラジオ局は新たに14局となりました。第1次から継続して実験を行っている13局と合わせて27局で、FM転換を行う44局の半分以上が実証実験を行います。一方でFM転換発表の旗振り役となったニッポン放送、TBSラジオ、文化放送といった在京AMキー局、ABCラジオやMBSラジオなど大阪の準キー局は今回も実証実験を見送りました。総務省が想定しているスケジュールでは実証実験は2回で2025年頃から実施する分がラスト…ということを考えると実証実験を行わずに2028年の免許更新でFM転換という運びになるのかもしれません。
実証実験は2028年10月31日まで延長
その後、2026年8月31日の改訂により「当該適用期間の延長を希望する場合は、総務省が必要と認めるときに、当該適用期間を延長することができる」ようになり、これにより実証実験を行っている局は2028年10月31日までの間で延長の手続きを行っています。実証実験中にAMを廃止する局もこの先出てくる可能性もありそうですね。
実証実験参加局
ではどのラジオ局が実験に参加するのかをこちらでまとめました。実験には3つのパターンがあり
- 親局も含めたAMを全局停止する
- AM親局は運用させ、中継局をすべて停止する
- AM親局は運用させ、中継局の一部を停止する
となっています。詳しいスケジュールはこちらも参考のほど。
今回は第2次特例措置で新たに実験を行う14局に加え、第1次特例措置時から実験を実施している13局も改めて紹介します。前回の申請時から期間が延長されたり、今回の特例措置で中継局が追加されたりしたところもあります。その部分も見やすくして紹介します。
なお、以下に記載するFM補完放送局の周波数で90.0MHzを超えるのものに関してはワイドFM対応のラジオチューナーでないと聴くことができません。ただしPCやスマートフォンなどでradikoなどが使える場合はそちらを活用することも推奨されています。
ちなみに、そんなradikoの音源を録音できるツールも用意されている「ネットラジオ録音 X2 for Windows」はこちら
青森放送
| 停止する中継局 | 周波数 | 停止予定期間 |
|---|---|---|
| 青森局(親局) | 1233kHz | 2026年2月1日~2028年10月31日 |
| 八戸局 | 1485kHz | 2026年2月8日~2028年10月31日 |
| 弘前局 | 1215kHz | 2026年1月18日~2028年10月31日 |
| 深浦局 | 1485kHz | 2026年2月1日~2028年10月31日 |
| 十和田局 | 1485kHz | 2026年2月8日~2028年10月31日 |
| 野辺地局 | 1062kHz | 2026年1月25日~2028年10月31日 |
RAB青森放送が新たに第2期から実証実験を実施します。親局も含めたAM全局を停止する予定です。ワイドFM局が青森・弘前地区:FM91.7MHz、八戸、十和田地域:92.7MHz、野辺地陸奥湾局:93.2MHz、大間下北局:78.8MHzと設けられておりほぼ全県を網羅しているようです。
岩手放送
| 停止する中継局 | 周波数 | 停止予定期間 |
|---|---|---|
| 田野畑局 | 1062KHz | 2024年2月1日~2027年3月31日 |
| 宮古局 | 1557kHz | 2025年12月1日~2027年3月31日 |

第1期実証実験から実施しているIBC岩手放送では、休止している田野畑局の停止期間を2026年9月30日まで延長した上で、新たに宮古局を2025年12月1日から休止させる予定です。この地域には宮古FM局:87.2MHzがあるためこちらで補完できている模様です。その後、両局とも2027年3月末まで停止期間を再延長しています。
ラジオ福島
| 停止する中継局 | 周波数 | 停止予定期間 |
|---|---|---|
| 原町局 | 801kHz | 2025年12月1日~2028年10月31日 |
新たに第2期から実証実験を実施するラジオ福島は南相馬市にある原町局を2025年12月から運用停止します。この地域には原町FM中継局:90.2MHzがあるため、こちらで聴取することが可能です。
栃木放送
| 停止する中継局 | 周波数 | 停止予定期間 |
|---|---|---|
| 宇都宮局(親局) | 1530kHz | 2025年12月1日~2028年10月31日 |
| 足利局 | 1062kHz | 2025年12月1日~2028年10月31日 |
| 那須局 | 864kHz | 2025年12月1日~2028年10月31日 |

新たに第2期から実証実験を実施するCRT栃木放送では、親局も含めたAM全局を停止する予定です。ワイドFM中継局は宇都宮市を中心として県内の大部分をカバーする宇都宮局:94.1MHz、足利市を中心としたエリアの足利局:91.1MHz、日光市を中心としたエリアの今市局:93.4MHz・那須塩原市を中心としたエリアの塩原局:93.4MHz・佐野市を中心としたエリアの葛生:93.4MHzと5つあります。
LUCKY FM茨城放送
| 停止する中継局 | 周波数 | 停止予定期間 |
|---|---|---|
| 水戸局(親局) | 1197kHz | 2025年12月1日~2028年10月31日 |
| 土浦局 | 1458kHz | 2024年2月1日~2028年10月31日 |
| 関城局 | 1458kHz | 2024年2月1日~2028年10月31日 |

正式な社名にもLucky FMが入ったLucky FM茨城放送では、第1期で停止した中継局2つの期間を2026年9月末まで延長したのに加え、第2次実証実験で親局の水戸局も停止します。いずれも補完FM局であるFMつくば局88.1MHz、FM水戸局94.6MHzで聴くことができます。さらに全局、2028年10月31日まで停止期間を延長しています。
山梨放送
| 停止する中継局 | 周波数 | 停止予定期間 |
|---|---|---|
| 甲府局(親局) | 765kHz | 2026年3月1日~2028年10月31日 |
| 富士吉田局 | 765kHz | 2026年3月1日~2028年10月31日 |
| 大月上野原局 | 765kHz | 2026年3月1日~2028年10月31日 |
新たに第2期から実証実験を実施するYBSラジオこと山梨放送では、中継局2局に加え親局も合わせAMラジオ局をすべて停止します。実施時期は2026年3月からを予定。甲府FM中継局、身延FM中継局、三ッ峠FM中継局と3つのワイドFM局で補完されています。周波数はいずれも90.9MHzです。『909Morning』というワイド番組に加え、パワープレイナンバーを”909 weekly tune”と表現する機会が増えましたが、これもFM転換を意識してのことでしょう。
新潟放送
| 停止する中継局 | 周波数 | 停止予定期間 |
|---|---|---|
| 長岡局 | 1062kHz | 2024年2月5日~2027年1月31日 |
| 柏崎局 | 1062kHz | 2024年2月5日~2027年1月31日 |
| 上越局 | 1530kHz | 2026年1月19日~2027年1月31日 |
| 塩沢局 | 1485kHz | 2025年12月1日~2027年1月31日 |
| 糸魚川局 | 1530kHz | 2025年12月15日~2027年1月31日 |
| 十日町局 | 1062kHz | 2025年12月8日~2027年1月31日 |
| 小出局 | 1026kHz | 2025年12月1日~2027年1月31日 |
新潟放送は第1次実証実験で長岡と柏崎の2局を停止。この2つは2026年9月末まで期間が延長されています。加えて第2次実証実験で中継局の残り5つも2025年12月から随時運用を停止します。親局新潟AM局の1116kHzが運用継続されるためこちらで大部分カバーできるほか、補完FM局である新潟FM局の92.7MHz、高田FM局・大和FM局・糸魚川FM局の94.8MHzで聴くことができます。停止期間はその後2027年1月末まで延長されています。期間が短いので2月で親局以外のAM廃止の動きがあるかもしれません。
信越放送
| 停止する中継局 | 周波数 | 停止予定期間 |
|---|---|---|
| 上田局 | 1062kHz | 2025年12月1日~2027年1月31日 |
| 佐久局 | 1458kHz | 2025年12月1日~2027年1月31日 |
| 軽井沢局 | 1485kHz | 2025年12月1日~2027年1月31日 |
新たに第2期から実証実験を実施するSBC信越放送では、上田局、佐久局、軽井沢局の3中継局を運用停止にします。長野FM補完局:92.2MHzで補完されているほか、AM親局の長野局でカバーされています。こちらも停止期間は2027年1月末までとなっているので中継局のAM削減の動きがあるかもしれません。
北陸放送
| 停止する中継局 | 周波数 | 停止予定期間 |
|---|---|---|
| 七尾局 | 1107kHz | 2024年8月1日~2027年1月31日 |
| 山中局 | 1485kHz | 2024年8月1日~2027年1月31日 |
| 輪島局 | 1107kHz | 2024年8月1日~2027年1月31日 |
北陸放送は第1次実証実験で停止した中継局3局を第2次実証実験期間の2026年9月末まで延長します。休止するエリアは山中局は金沢FM局94.0MHz、輪島局の一部が輪島FM局77.1MHz、七尾局の一部を七尾FM局88.8MHz、珠洲FM局76.7MHz、羽咋FM局93.1MHzで補完しているほか、親局の金沢局1107kHzでも聴くことができます。停止期間はその後2027年1月末まで延長されていますが、新潟同様親局を残してAMを止めることになりそうですね。
当初は2024年4月からの実験開始を予定していましたが、2024年1月1日の能登半島での震災の影響により実験の時期が延期されました。8月から実験を開始しましたが、輪島局では9月に大雨特別警報が発令されるほどの豪雨被害にも見舞われて、2024年9月21日~2024年11月10日の期間は一時的に運用を再開しました。
福井放送
| 停止する中継局 | 周波数 | 停止予定期間 |
|---|---|---|
| 福井局(親局) | 864kHz | 2026年3月16日~2028年10月31日 |
| 敦賀局 | 1557kHz | 2024年2月5日~2027年1月31日 |
| 小浜局 | 1557kHz | 2024年2月5日~2027年1月31日 |
福井放送は第1次実証実験で運用停止した中継局2局の期間を延長した上で、親局の福井局も2026年3月中旬から運用停止させています。その後親局は2028年10月末まで、その他の中継局は2027年1月末まで停止期間を延長します。








